仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第87号
2024.11.21 THU
通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、⑩番目の「仮定する」というしかけを紹介します。
算数授業のしかけ ⑩ 仮定する
問題を提示し、解かせていく過程で、ある子はすらすらと、楽しく解いていくことができます。
その一方、解くことができない子は、全くわからず時間を過ごし、他の子どもが解いた答えを書き写すだけになってしまうことがあります。
これではその子にとって、算数が楽しいものになりません。
「仮定する」のしかけでは、「もしも……」という表現を使わせることで、子どもたちがわかっていること・わかっていないことを整理させます。
それによって、何がわかれば問題を解くことができるのか、授業を焦点化することができます。
また、わかっている子どもの表現をクラスで共有化する活動を通して、全員の理解をそろえることにもつながります。
〔事例〕3年生「あまりのあるわり算」
『新しい算数3上』(東京書籍)の75ページに、次の問題があります。

この問題も、すぐにわかって解くことができる子どもと、わからずにじっと待つだけになってしまう子どもに分かれてしまうことが予想されます。
そこで、「仮定する」のしかけを使います。
ゼリーが □ こあります。 |
ゼリーの数を □ に変えて、子どもたちが「もしも10だったら……」のように仮定して考えられるように、提示していきます。
T:□ にどんな数字を入れたら、簡単に計算できますか?
□ がもしもこの数字だったら、と考えてください。
C:もしも6だったら簡単!
T:どうして?
C:6÷3=2だからです。2人に分けられることが分かります。
C:他にも、簡単な数がある。
C:もしも12にすると、12÷3=4で、4人に分けられます。
子どもたちが伝えてきた式を、黒板に書いていきます。

T:じゃあ、先生が □ に数字を入れるよ。計算できるかな?
ゼリーが 14 こあります。 |
T:みんなが「簡単!」といった計算とどこが違うかな?
C:わりきれない。
ここで、「わりきれないときの計算ができるかな?」と、あまりがある場合の計算の仕方に授業を焦点化していきます。
このような「もしも……だったら」と仮定するしかけは、「文章題」「計算問題」など様々に使えます。
「もしも……だったら」という考え方を指導することにもなり、子どもたちに答えの見つけ方を身につけさせていくことにもなります。
「仮定する」しかけのポイント |
「もしも……だったら」を使って、学習していることやしていないこと、できることやできないことを整理していく |
実は、問題を解くことができる子どもは、なにげなく「もしも……だったら」と自分でいくつか仮定しながら解くことができている子どもです。
「仮定する」しかけは、見えない子どもの考えを「もしも……だったら」を使うことで明示することでもあるのです。
「仮定する」のしかけを使うことで、「もしも、□ が6だったら計算が簡単だよ」「もしも □ に12を入れると……」と子どもたちがわかっていることを引き出すことができ、まだわかっていないことへ授業を焦点化することができます。
自分に1つ考えが浮かんだときに、「もしも……だったら」と自分が思いついた考えとは違う考えや反対の考えをもう1つ考えることで、思考の幅がかなり広がっていきます。