仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第86号
2024.11.14 THU
通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、⑨番目の「図や絵に置き換える」というしかけを紹介します。
算数授業のしかけ ⑨ 図や絵に置き換える
『新しい算数4上』(東京書籍)の39ページに次の問題があります。
72まいの色紙を、3人で同じ数ずつ分けます。 |
このまま筆算を教えて、形式的に計算できるようにすることも大事ですが、形式だけを教えてしまうと、扱う数字によっては間違いが多くなってきます。
そこで、形式的な筆算にイメージをもたせることを大事にしていきます。
〔事例〕4年生「わり算の筆算(1)」
まず、色紙と三人の女の子の絵を提示します。

T:この絵を見て、どんなお話になると思いますか?
C:3人で色紙を買いました!
C:3人で色紙を売りに行きます。
C:色紙を分ける!
C:3人で色紙を出し合いました!
C:3人でじゃんけんをして、勝った人が色紙を全部もらいます(笑)
子どもたちの自由なお話を聞きながら、絵にある数字を整理していきます。
T:色紙は7たばと2まいあります。3人で色紙を分けます。
C:色紙の1たばには色紙が何まいありますか?
T:どうして1たばの数が知りたいのかな?
C:だって、1たばが何まいかわからないと同じまい数ずつ分けられないから。
T:1たばが何まいだったらうれしい?
C:10まい!
T:1たばに色紙は10まい入っています。3人で同じまい数ずつ分けます。
順番に3つの絵を提示していきます。
T:Aさんの分け方です。

C:それはずるい!
T:続いて、Bさんの分け方です。

C:同じ数ずつでいいね。
T:最後、Cさんの分け方です。

C:やっぱりCさんがいい!
T:みんなはどの分け方をしますか?分けやすい方法を選んで手を挙げてください。
Aさんの分け方がいい人? Bさんがいい人? いやいや、Cさんという人?
全員がCさんの分け方に手を挙げます。
T:どうしてAさんやBさんは選ばないのかな?
C:Aさんの分け方は、Aさんがたくさんもらってずるい!
C:Bさんの分け方は、バラバラにすると大変!
T:なるほど、じゃあどうしてCさんの分け方にするのかな?
C:Cさんは、まず2たばずつ3人に分けて、あと1たばあるので1たばの色紙をバラバラにして、12まいの色紙にして分けているから、分けやすい。
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この後、絵のイメージをもとに筆算形式での計算をCさんの分け方で説明する活動を仕組みます。最初に図や絵にすることで、教師がイメージさせたい場面を焦点化したのです。
「図や絵に置き換える」しかけのポイント |
文章の内容や考えを図や絵に置き換えて提示して、「図や絵を読み取る」活動を仕組む |
はじめから文章題や数字を与えてしまうと、得意な子どもがすぐに答えを発言してしまい、考えることができない子どもが出てきます。しかし、このしかけを使うことで、数字や式に弱い子どもや文章を読み取ることが苦手な子どもも考えやすくなり、問題場面について共通のイメージをもたせることができます。
また、図にある情報を整理して考えたり、つなげて考えたりする力もつきます。子どもたちが、図に基づいて説明することによって、具体的なイメージをもつことができます。