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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第67号

2024.06.27 THU

通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、『新しい国語6』の中から「海のいのち」を取り上げ、物語文を読む力を育てる授業づくりについて考えていきます。


6年「海のいのち」 焦点化する…太一は何漁師か?


〔事例〕 6年生 「海のいのち」

『新しい国語6』(東京書籍2020)p.112

「海のいのち」は、少年太一がおとうや与吉じいさ、海とのかかわりのなかで、漁師として人間として大きく成長していく物語です。太一の成長を通して、生きることや自然とのかかわり方、命について、子どもたちが深く考えることができる教材です。

「海」を中心においたイメージマップづくりをして導入を行ったあと、この物語が大きく六つの場面からなっていることを確認します。

一場面(1段落~6段落) → 二場面(7段落~12段落) → 三場面(13段落~15段落)
→ 四場面(16段落~20段落) → 五場面(21段落~27段落) → 六場面(28段落~29段落)

物語の大まかな展開を理解し、それぞれ印象に残った場面を選び、その理由をノートにまとめたり、発表したりした後で、次の学習に入っていきます。

T:これから、太一がどんな漁師だったのかを、みんなで考えていこうと思います。確か、この物語には、二つのタイプの漁師がでてきたと思うけど、何漁師と何漁師だったかな?
隣同士のペアで思い出してみよう。はい、起立。

(ペアで話し合う。考えがまとまったら、座ってノートに書く。みんなが座ったところで、指名して発表させる。)

C:「もぐり漁師」と「一本づり漁師(?)」だと思います。たぶん。
T:大丈夫。自信をもっていいよ。「もぐり漁師」と「一本づり漁師」の二つのタイプがでてきたよね。
それでは、「おとう」と「与吉じいさ」はどっちのタイプの漁師かな。

これもペアで確認してみよう。
このようにして、「もぐり漁師」→「おとう」、「一本づり漁師」→「与吉じいさ」であることを確認します。

T:「おとう」と「与吉じいさ」のことはわかったけど、太一はどんな漁師だったんだろう。
「一本づり漁師」だろうか、「もぐり漁師」だろうか。これもみんなで考えてもらいたいと思います。
太一が「いつ」「どこで」「何をしたのか」を、一場面から順番に読み取っていこう。

C:一場面では、太一はまだ子どもです。おとうの漁のようすや亡くなったことは書いてありますが、太一はまだ漁をしていません。
C:二場面では、太一は中学を卒業しています。与吉じいさに弟子入りし、父親が亡くなった瀬で一本づりをする与吉じいさの手伝いをしています。

ここまで全体で確認し、黒板の表に書き込みます。
三場面以降は、一人一人が自分で「いつ」「どこで」「何をした」のかを読み取り、表のそれぞれの欄に書き込ませていきます。



T:三場面はまだ与吉じいさの手伝いをしているから、太一は一本づり漁師だと思うけど、四場面ではどうかな?
C:四場面で海の中にもぐっているから、もぐり漁師ではないかと思います。
C:でも、「アワビもサザエもウニも、クエにさえも興味を持てなかった」ってあるからもぐり漁師ではないんじゃないかと思うんだけど……。

このようなやりとりを重ねながら、太一は追い求めていた「瀬の主」との出会いを深く胸に秘めながら、「一本づり漁師」として海のいのちを大切にし続けたことを読み取っていきます。
そして、その後の授業で物語の主題に迫っていきます。


参考:『授業のユニバーサルデザインを目指す国語授業の全時間指導ガイド6年』桂聖著(東洋館出版社2013)p.080~

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