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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第66号

2024.06.20 THU


通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、『新しい国語5』の「大造じいさんとがん」の教材を取り上げ、
「図解する」、「配置する」しかけを使いながら、
中心人物の変化をとらえる授業づくりを紹介します。

5年 「大造じいさんとがん」  図解する・配置する

〔事例〕 5年生 『大造じいさんとがん』

『新しい国語5』(東京書籍2020)p.168

中心人物の変化をとらえて読む

物語文指導のキーは、中心人物の変化です。

物語では、必ず何かのできごとがきっかけとなって、中心人物の心情や見方・考え方が【変化】するのです。
そして、作者は中心人物の変化を通して、読者にメッセージを伝えようと試みているのです。

そのメッセージを【主題】といいます。
中心人物の変化は、図解してとらえることができます。
「大造じいさんとガン」では、下の図のようになります。



低学年では、中心人物の気持ちが変わることを教えます。
会話文、行動描写、心情描写などの叙述をもとに、人物の気持ちを想像します。

そして中学年では、「はじめ → きっかけ → 終わり」を考えながら、中心人物の変化をとらえることを教えます。

高学年では、中心人物の変化をもとに主題をとらえることができるようにします。


主題をとらえて読む

主題とは、作者が作品を通して一番伝えたいことです。
残念ながら、それは作品には明示されていません。作品の裏側に隠れているのです。

また、作者が伝えたいことがあっても、作品の意味は読者が見出すものです。

だから、読者が作品から一番強く感じることが主題であるとも言えます。
主題は、作者が決めるものではなく、読者が決めるもの - 最近では、このような読者論的な考え方が主流になっています。

しかし、読者が主題を決めるとしても、何でもよいというわけではありません。
やはり、作品の中心をとらえた上で、主題をとらえることが大切です。
その作品の中心こそが「中心人物の変化」です。

では、中心人物である「大造じいさん」の変化から、どんな主題を強く感じるでしょうか。
きっかけや終わりに注目すると、作者の椋鳩十は「仲間を思いやり、何事にも動じないリーダーの在り方」を伝えたいのではないかと思います。
主題をとらえるには、中心人物の変化をとらえた上で考えることが有効です。


中心人物の変化を視覚化する

T:ここに大造じいさんの気持ちを表す5枚のカードがあります。
下の表の「大造じいさんの心情」の欄のどこに入るかみんなで考えてみよう。

(ア) たいした知恵をもっているものだな。
(イ) 「ううん。」とうなってしまった。
(ウ) ただの鳥に対しているような気がしなかった。
(エ) いまいましく思っていた。
(オ) 「おうい、がんの英ゆうよ。」

表が完成したら、「残雪に対する大造じいさんの心情は、どのように変わっていったのかな?」と問いかけ、主題にせまっていきます。



参考:『国語授業のユニバーサルデザイン』、『教材に「しかけ」をつくる国語授業10の方法-文学アイデア50』

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