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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第61号

2024.05.16 THU

通信教育指導室から、こんにちは。
前回は、楽しく力がつく国語授業をつくる「10のしかけ」を紹介しました。
今回から、実際に教育実習で使う東京書籍の教科書の教材をとり上げ、「しかけ」を使った具体的なアイデアをいくつか紹介していきます。
今回は、『あたらしいこくご1下』の「スイミー」について考えます。


1年「スイミー」…… 時間の流れに沿って配置する

〔事例〕 1年生 「スイミー」(おはなし)

『あたらしいこくご 1下』(東京書籍2020)p.119

本教材は、場面の移り変わりが明確で、時間の流れに沿って、場所が移動していきます。挿絵を時間の流れに沿って分類していくことで、物語の構造を視覚的にとらえることができます。
教科書に出てくる8枚の挿絵を準備し、次のように問いかけます。

T:最初に出てきたのは「大きないせえび」だったね。
と言いながら、1の挿絵から順番に8の挿絵まで、黒板の下の方に順番に貼っていきます。



すると子どもたちは、
C:違うよ。スイミーときょうだいたちが楽しく暮らしていたところから始まるよ。
と反論するはずです。
そこで、子どもたちの意見にしたがって6の挿絵を黒板の上の右端にはり直しながら、
T:それでは、スイミーのおはなしを思い出してください。今日は、8枚の挿絵をおはなしに出てきた順番に並べかえてもらいます。6番の絵の次はどれかな。
C:スイミーたちがまぐろにおそわれるところだから、4番の絵だと思います。
T:みんなはどうかな?それでは、こんな風にペアになって話し合い、おはなしの流れに合うように挿絵の正しい順番を考えてください。
ペア同士の情報交換の時間も確保し、子どもたちの発表を基に挿絵を並べていきます。



挿絵が正しい順番に並んだところで、黒板の真ん中に横に線を引きます。
T:線の上が、海の浅いところだよ。そして、下が海の深いところ。さあ、スイミーがいたところを考えていこう。スイミーは初め、深いところにいたんだよね。
と言って、6の絵を下の「ふかい」という欄に移動します。
C:先生、違うよ。最初は浅いところにいたんだよ。
T:ほんとう? 初めに浅いところにいたなんて、どこにも書いてないよ。
C:えーっ、まぐろにおそわれてから、深いところにいったって、書いてあるよ。

こんなやりとりをしながら、子どもたちは、本文の言葉を手がかりに「まぐろが登場したあとに、底に逃げた」「追い出したのは、朝ってわかるところだし、かがやくってあるから浅いところだよ」などと話し合いながら、どの場面かを考えていきます。



教師は、子どもの言葉を整理して板書したり、挿絵を動かしたりしながら、スイミーが海の中を移動していった様子を、時間や出来事をもとに整理していきます。
このように、挿絵を分類する手がかりとなる言葉を本文から探すことで、時間の経過や出来事を表にまとめることができ、物語を構造的にとらえることができます。



『教材に「しかけ」をつくる国語授業10の方法-文学アイデア50』 桂聖著 (東洋館出版社2013)p.114 一部編集

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