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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第60号

2024.05.09 THU


通信教育指導室から、こんにちは。 『教材に「しかけ」をつくる国語授業10の方法-文学アイデア50』(桂聖編著)という本があります。『同シリーズ-説明文アイデア50』と並んで、国語授業づくりの参考書としてお勧めの本です。算数UDの参考書と同様、教育実習に向け、早めに購入して読み込んでほしい一冊です。
今回は、楽しく力がつく授業をつくる「10のしかけ」を紹介します。


楽しくて 力がつく 国語の授業をつくる

国語の教え方が分からない

いくつかの学校や研究会で、小学校教師を対象にして、国語授業に関する問題意識に関するアンケート調査を行いました。
「あなたが国語授業をする上で、一番困っていることは何ですか?」という質問に対する答えとして、一番多かったのが「指導方法」に関する問題でした。国語授業の教え方がわからないというものです。
国語は、授業時数が一番多い教科で、誰もが重要な教科だと考えています。しかし、教え方が単調になりやすく、マンネリ化しやすい教科です。
例えば、【文学】の授業では、「大造じいさんの気持ちは、どの言葉からわかりますか?線を引きなさい」「なぜ、大造じいさんは、銃を下ろしたのですか?」など、どの学年でも、どの教材でも同じような学習活動が行われ、登場人物の心情理解に偏った指導が行われています。
あるいは「朗読発表会をしよう」などの活動ばかりが先行してしまって、その結果、読解力が身についていないという問題も指摘され始めています。
【説明文】の授業も同様です。一問一答で、説明内容の理解に傾斜した指導になりがちです。
指導方法に関する問題意識が高いということは、マンネリ化した国語授業に問題を感じていて、楽しくて力がつく国語授業の指導方法を知りたいという気持ちの表れだと思います。

国語授業をかえる10のしかけ

① 順序を変える
② 選択肢をつくる
③ 置き換える
④ 隠  す
⑤ 加 え る

⑥ 限定する   
⑦ 分類する
⑧ 図解する
⑨ 配置する
⑩ 仮定する

この「10のしかけ」によって、明日からの国語授業が、間違いなく、楽しいものに変わります。
ただし、注意することもあります。それは「指導内容」「授業展開」の問題です。
教材のしかけづくりは、あくまでも一つの「方法」。その「目的」とは、読むことの授業で言えば、「指導内容」としての読む力の習得です。 これらの指導内容を明らかにすることも必要です。
また、しかけ教材を提示した後は、話し合い活動をどのように展開すればよいのでしょうか。教材のしかけづくりにおける「授業展開」の問題も避けて通れません。 本書では、「教材のしかけづくり」という「指導方法」の提案を中心としながらも、その「授業展開」の方法や、その結果、身につけさせたい読みの力としての「指導内容」についても言及しています。

授業が楽しくなってきました

ところで、本書は、授業のユニバーサルデザイン研究会沖縄支部(UD研沖縄支部)の先生方との共著です。企画してから約十ヵ月の間、何度も沖縄に行ったり、Skypeで話し合ったりして、何百本もの原稿を検討してきました。
数多くの原稿を検討をしているうちに、「しかけづくり」は、単なるアイデアレベルの話ではなく、「授業の一連のストーリーそのものである」ことがわかりました。

教師がしかけ教材を提示すると、子どもがつぶやき始める。
それをとらえて問い返し、学習課題を設定する。
課題に対する子どもの意見を論理的な読み方に落とし込んで整理する。

UD研沖縄支部の先生方は、2名のベテランの先生を除くと、全員が教師2年目の先生方です。この若い先生方は、原稿を書くこと自体が初めての経験。なかなか書けなくて、何度も涙を流したに違いありません。そんな困難な課題に一緒に取り組む中で、ある先生がこんなことを私に笑顔で言いました。
「国語の授業をするのが楽しくなってきました!」
教師2年目の先生が、こんなに力強い言葉を言うなんて……。そのときの驚きと感動は忘れられません。私なんて、最近になって、国語授業の楽しさをやっと感じているぐらいですから。

若い先生方の成長こそ喜び

本としてまとめることも大事ですが、それ以上に、若い先生方が、本書の執筆や原稿検討を通して、確実に授業の実力をつけてきていることも嬉しく思います。
あなたの国語授業も、教材のしかけづくりで、きっと、楽しくて力がつくものになります!

本書の提案やアイデアが、日本の国語授業を大きく改善していくきっかけになると信じています。
「わかった!」「できた!」という子どもたちの声が、教室中に飛び交うことを願ってやみません。


『教材に「しかけ」をつくる国語授業10の方法-文学アイデア50』桂聖著(東洋館出版社2013)p.001 一部編集

次回から、東京書籍の教科書に掲載されている教材をとり上げ、「10のしかけ」を使った具体的な授業づくりのアイデアを紹介していきます。

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