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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第57号

2023.01.17 TUE

通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、坪田耕三先生特集の4回目です。
先生の長年の教職経験から導き出した「あるべき家庭学習の姿」、そして、教師の教養としておさえておきたい単位の話とあわせて、わかりやすく伝えています。


家庭学習への期待

学校はたくさんの子どもがいてこその学びを追究する場だ。
大勢の子どもがいてはじめて出来上がってくるものに価値がある。
一人ではできなかったけれど仲間がいて助けられたとか、一人では気付かなかったけれど仲間の一言で、はっと気付くことがあったなどといった体験が豊かな学びになる。
家でただ一人で勉強していても、この楽しさを体験することはできない。
そして、この楽しさを味わった子どもたちは、教室での学びがふくらんでくると、当然のごとく教室を離れて追究しはじめる。
それが家庭学習となっていけば、それこそ自らが発奮して取り組む素晴らしい学習の姿となる。
家庭学習とはそもそもそういうものであろう。

例えば、私は授業の中でときどき「おまけの話」なるものをする。
子どもはこれが好きだ。
取るに足りない話で、いわゆる「脱線」話なのだが、できるだけ本筋の学習に関連のある話題を提供する。しかも、全部は教えないのである。
例えば、算数の時間に、話が「量の単位」に及ぶ。
その時に単位の換算がいま一つできていないことを察知して「単位の話」を「おまけの話」と称して聞かせるのである。
例えば、次のようにある。


単位には漢字がある

「みんなは、m(メートル)という漢字は知ってるかい?」
みんな「えっ?」という顔をする。
「こんな漢字を書くんだ」と言いながら、「米」と板書する。
すると「先生、じゃあ『cm(センチメートル)』にも漢字あるの?」と聞く子が必ずいる。
そこで「ありますよ。『糎』と書きます」と答える。
子どもたちの目がきらきらしてくる。
もう黙ってない。
「じゃあmm(ミリメートル)は?」こんな質問である。
そこで、それにも答える。
「『粍』だよ」と。
さて、その次である。
当然、「km(キロメートル)は?」とくる。
しかしそれには「漢字があります。だが、それは教えません。自分で探してみましょう」と答える。
さあ、そこからが大変である。もうこの話の虜になった子は、家に帰るや、辞書を引いたり図書館に行ったり、親に聞いたり、とことん調べまわることになる。
やがて、右のような「米の偏」にそれぞれ10倍や10分の1を表す漢字が付いていることを自分の力で発見することになる。普段使われていない単位にまで話が及ぶ。
子どもにとって豊かな学びができる。

これこそが家庭学習の醍醐味である。
子どもの「考えたい」「知りたい」「やってみたい」という、もともともっている意欲を培う授業をすることが子どもの生活全体にかかわる学びにつながるのである。
やがて、リットルやグラムについても、どんな漢字があるのか調べる子が登場することは言うまでもない。
ちなみにリットルは「立」、グラムは「瓦」である。これを偏としてメートルと同じ単位の仕組みが作られている。


『坪田式算数授業シリーズ① 算数楽しく授業術』坪田耕三著(教育出版2013)p.090

【代表的な単位早見表】



【国際単位系 (SI) における代表的な接頭語一覧】


太字で示した「テラ」や「ギガ」「ナノ」など用語は、子どもたちの身近にあふれています。
その意味や関係を子どもたちが理解しておけば、日常生活でも役に立ちます。


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