仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第50号
2024.02.22 THU
通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、1月25日に
から配信された記事を紹介いたします。
皆さんと同じく小学校の先生を目指す学生の物語です。
「もうちょっとで夢が叶いそうだよ」 教師目指す女性
"あの日"から12年越しで伝えた"友への感謝"(宮城・石巻市)母校で経験した"あの日"
2023年12月5日、石巻市の震災遺構・門脇小学校で、市内の北上中学校2年生を前に、高橋輝良々さんが初めて語り部として自らの体験を語りました。
高橋さんは小学校教員を目指す大学2年生。
震災当時は、門脇小学校の1年生に在籍していました。
この日、高橋さんは、震災の恐ろしい記憶だけではなく、この校舎で過ごした1年間の思い出も、中学生に伝えました。
北上中学校の皆さん初めまして。宮城教育大学2年の高橋輝良々です。
今は震災遺構となっているこの校舎に、小1の1年間通っていました。
この場に立つと、
下校するときにランドセル背負うの忘れて帰っちゃったドジな子がいたなとか、
お腹が痛くなった時に担任の先生にお腹を「のの字」で撫でてもらったななんて、
何気ない日々の思い出がよみがえってきます。
13年前のあの日、津波と火災が門脇小を襲いました。
私は下校を始めてすぐ、家に向かう階段の途中で、大きな揺れに見舞われました。
私はびっくりして校庭に戻り、まだ授業中だった上級生や引き返してきた同級生と裏手の日和山に避難しました。
一緒に逃げた児童や先生方は全員無事でした。
大津波警報の音や津波が家や電柱を破壊していく音、ずっと鳴り響く車のクラクションの音など、(津波を)見ていなくてもすごく怖かったのを覚えています。
高橋さんは、大学入学後、震災や防災について考える「3.11ゼミ」に所属しました。
しかし、家族も家も無事だった高橋さんは、7歳のときの自分の記憶は、語るには幼すぎるし少なすぎるのではないかと感じ、それまで被災体験について自ら語ることはほとんどありませんでした。
思い出のある門脇小の校舎にも足を踏み入れる勇気を持てないでいたのです。
12年ぶりに訪れた母校
大学1年の秋、高橋さんに転機が訪れます。
ゼミの先生から「高橋さんの体験を共有してみないか」と提案され、12年ぶりに母校・門脇小を訪れました。
高橋さんはそこで自分の体験を話すうちに記憶をつないでいきたいという思いを強くしていきました。
そして去年12月、ゼミの活動を通じて知り合った教員の依頼で初めて語り部を務めることになりました。
この中で、高橋さんは誰にも話してこなかった大切な記憶を打ち明けました。
初めて語った友人との約束
門脇小学校では下校していて犠牲になった子どもが7人います。
私と仲良くしてくれた友だちも、その中の一人でした。
これは、その友だちが学校で使っていたクレヨンの写真です。

震災以来ずっと私が大切にしまっていたものです。
高橋さんには、津波の犠牲になった友人との忘れられない思い出がありました。
ある晴れた日、暖かかったので春か夏かな。
ジャングルジムに2人で登っていたときに、私は「小学校の先生になりたいと思っているんだ」と友だちに言いました。
友だちも「私も同じだよ。一緒に先生になろう!」って言ってくれました。
もしも友だちが今生きていたなら、「あの時一緒に(先生に)なろうって言ってくれたから頑張れていると思うよ、もうちょっとで夢が叶いそうだよ、ありがとう」って、そう伝えられたのかなと思います。
高橋さんの話を聞いた中学生は、
「友だちとの約束を、こうやって伝えてくださり感謝しています。今いる友だちのことを大切にしていこうと思います」
と感想を話してくれました。
きっかけをくれた恩師の言葉
この日、初めて語り部を務めた高橋さんを優しく見守る人がいました。
当時の門脇小学校の校長先生で、現在は語り部として活動している鈴木洋子さんです。
自分の言葉でまっすぐ思いを伝える高橋さんの姿に、涙がこぼれました。
こんなに嬉しいことはないですね。
本当に嬉しいです。
しっかりと語れていました。
高橋さんは去年の夏、亡き友人に渡すつもりだった手紙と友人にもらった思い出の鉛筆を手に、当時の校長先生だった鈴木さんの家を訪ねました。

心にしまってきた高橋さんの思いを聞いた鈴木さんは、「その思いは教員を目指すうえで大切な財産になるはずだよ」と優しく背中を押してくれました。
命を守れる教員に
亡き友人との約束を語るまでにたくさんの葛藤があったという高橋さん。
きょうまで繋げてきた人にたくさん出会えたから、私も誰かに伝えようと思えました。
また門小が私の出発点になったことが嬉しいです。
門小生でよかったって改めて思えた1日でした。
「命を守れる教員」になりたい。
高橋さんは自分の被災体験と向き合い、夢に向かって新たな一歩を踏み出しました。
使用した写真も同サイトで掲載されていたものです。
北上中学校の皆さん初めまして。宮城教育大学2年の高橋輝良々です。