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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第49号

2024.02.15 THU

通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、全員参加の授業をつくるしかけの4番目、「情報過多にする」を紹介します。


算数授業のしかけ ④ 情報過多にする

子どもたちに、必要な情報だけを同じように与えて計算させていくと、子どもたちは迷うことなく計算していきます。
しかし、それだけを続けてしまうと、「順番通りに計算すればいい」と考えてしまう子どももいます。これでは、力が身につきません。
そこで登場するのが、「情報過多にする」しかけです。

〔事例〕1年生 「たしざん」

『新しい算数1②』(東京書籍2020)p.061

1年生の「11 たしざん」の単元の最初に、次のような問題があります。

ことみさんは どんぐりを9こ、

けいとさんは 4こ ひろいました。

あわせて なんこ ひろいましたか。

1、……、9、10、11、12、13。
数えれば答えは分かりますが、ここでは くり上がりのある計算 のしかたを勉強します。

T:答えが10を越えています。どのように計算するのかな。
C:ことみさんが拾った9このどんぐりに、どんぐりを1こたして10にするといいと思います。
T:たしたどんぐりはどこから持ってくるの。
C:けいとさんが拾った4このどんぐりを、1こと3こに分けて、はじめの1こを ことみさんにあげて10こにします。



C:そうすると10こ と のこり3こ になり、全部で13こになります。
このようなやりとりをブロックなどを使って繰り返し行い、しっかり理解させます。



そして、十分に定着したあとに、64ページの⑥の問題に取り組ませます。

おやの ぺんぎんが 9わ います。
こどもの ぺんぎんが 6わ います。
ぺんぎんは、 ぜんぶで なんわ いますか。

子どもたちは、「9+6=15 答え 15わ」と答えるでしょう。もちろん正解です。

そこでひとひねり。「情報過多にする」 しかけを入れ、問題を変えて提示します。

おやの ぺんぎんが 9わ います。 そのうち 3わは よそみをしています。
こどもの ぺんぎんが 6わ います。
ぺんぎんは、 ぜんぶで なんわ いますか。

さて、子どもたちはどう答えるでしょう。
「9+3+6=18」と答える子どもたちが必ずいます。
その子どもたちは、今まで、文章題に出てくる数字を足せばよいと考えていた子どもです。

T:「9+3+6=18」でいいよね?
C:いいと思います。
C:えっ、違うよ!
T:どうして違うの?
C:だって、「3」はよそみをしているおやのぺんぎんの数で、おやのぺんぎんはぜんぶで9わは変わらないよ!


情報を1つ増やすだけで、子どもたちは「あれ?」と迷い出します。
「この問題はおかしいと思います」
「関係ない数が入っています!」
という子どもが出てきます。

説明させながら、「計算するために必要な数字」について考えを共有していきます。
「情報過多にする」ことで、「どの数字が計算するときに必要なの?」という問いが生まれ、授業が数字の関係を読み取ることに焦点化されていきます。


「情報過多にする」しかけのポイント

・ 問題を解くために必要のない情報も加えておき、選択を迷う状況をつくる

「いくつかの情報から必要な情報を選ぶ」という力は、非常に重要です。
条件がいくつもある問題を解く力も必要です。
「情報過多にする」というしかけを使って、「必要な数値や情報を選択させる」ことで、子どもたちが本当に計算の仕方や公式の意味、問題の意味や条件が理解できているかを確認することができます。


『算数授業のユニバーサルデザイン』伊藤幹哲著(東洋館出版社2018)p.064/p.129 一部編集

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