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仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第48号

2024.02.08 THU

通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、全員参加の授業をつくるしかけの3番目、「間違える」を紹介します。


算数授業のしかけ ③ 間違える

〔事例〕4年生 「1つの式に表してみよう」

『新しい算数4下』(東京書籍2020)p.002

● 問題の前に図や絵を提示する

国語や社会など他教科では、授業の導入で挿絵を見せることがあります。
算数では授業の最初に問題文を提示することが多いですが、絵や図を最初に提示することで、問題場面を印象づけることができます。
4年生の「1つの式に表してみよう」の単元に、次のような問題場面があります。

はるなさんとけんさんは、500円玉を持って買い物に行きました。
140円のお茶と210円のゼリーを買って、おつりを150円もらいました。

この問題場面では2通りの式を立てることができるのですが、いきなり「式に表しましょう」と言っても、できない子どももいます。
ですから、「絵を使う」というしかけを使って、イメージ化させていきます。

最初に
「今から2つの絵を見せます。あとでクイズを出すからよく見ておいてくださいね。5秒しか見せませんよ」
と言って、教科書にある挿絵を1つずつ見せていきます。





その後、クイズを3問出して、絵を「読み取る」活動をします。
絵を「読み取る」ことで、クラス全員が問題場面をイメージすることができるようになります。

【第1問】 はるなさんとけんさんは何をしていたでしょう?

もちろん全員が「買い物!」と答えます。1問目は、全員が答えられる問いにします。
気になる子どもがいれば、ここで当てて活躍させておくと参加意欲が増すこともあります。

【第2問】 はるなさんとけんさんの買い方で同じところはどこでしょう?

発問は徐々にステップアップさせていきます。
この発問は、見ることが苦手な子どもや、ぼーっと見ていた子どもには難しいかもしれません。
そのため、「もう1回だけ見せます。今度は10秒見せます」と再提示してもよいでしょう。

それでも、わからない子どもがいれば、「どこを見たらわかりますか?」と、わかっている子どもに聞いてヒントを出してもらったり、買ったものだけを丸で囲んだ絵を見せたりしていきます。
ここで引き出したいのは「二人ともお茶とゼリーを買った」という言葉です。

【第3問】 2人の買い方で違うところはどこでしょう?

わからない子がいれば、はるなさんの挿絵を分割して見せます。
子どもたちからは
「はるなさんはお茶を買ってから、ゼリーを買った。けんさんは、まとめて買った」
という言葉を引き出します。

さらには動作化をさせて、2人の買い方の違いを全員に印象づけることも重要です。
動作化は視覚に訴えると同時に、気分転換にもなります。
集中力が続かない子どもがいれば、前に出て動作化させて活躍させしてもよいですし、ペアで行ってもよいでしょう。

子どもたちが「買ってから買う(お茶を買ってから、ゼリーを買う)」「まとめて買う」というイメージを持つことができたら、「1つの式に表してみよう」という課題に取り組みます。

「買ってから買う」「まとめて買う」のイメージの共有化を図った後で、「選択肢をつくる」「間違える」のしかけを使って、3つの式を提示します。

T:はるなさんとけんさんの買い方に合う式は、次の3つの式のうちどれでしょう?


式を思いつかない子どもでも3つの式を見ながら、考えることが可能になります。
「選んだ式が本当にその買い方を表しているのか」話し合っていきます。
この授業では「問題場面と式とを関連づけて説明することができる」ようになることがねらいですので、絵や動作と式をつなげながら話し合います。
選択肢の中に「500-140+210」という、間違った選択肢も入れておきます。
「その式だと『500円持っていました。140円のお茶を買いました。210円もらいました』になるよ」
といった言葉を、子どもたちから確実に引き出すことができます。

「間違える」しかけのポイント

・ 子どもたちの間違いを予想し、教師の間違いとして提示する
・ 教師がわざと間違えて、間違いの理由を整理していく

「間違い」を説明できるということは、「意味がわかる」「正解がわかる」ということにつながります。
「間違える」を使ってしかけていくことで、子どもたちが本当に図や計算の意味、問題の意味などがわかっているかどうかを確かめながら、授業を進めていくことが大切です。

『算数授業のユニバーサルデザイン』伊藤幹哲著(東洋館出版社2018)p.064/p.129 一部編集

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