仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第37号
2023.11.02 THU
通信教育指導室から、こんにちは。
今回は、『勉強したがる子が育つ安藤学級の教え方』という著作から安藤英明先生(1948年北海道生)の実践を紹介します。
安藤先生は、道北の上川管内の小学校を中心に子ども主体の授業を展開、退職後は北海道教育大学旭川校で学生の指導に当たりました。
道内の中・高生のソフトテニスのコーチとしても、多くの大会で全国優勝に導きました。
「話す力」「聞く力」「書く力」をゲーム感覚で鍛える
安藤学級で取り組んできた指導法に「10の扉」というのがあります。
どれも、ゲーム感覚でできるものです。子どもたちはこれを勉強とは思っておらず、ゲームだと思っています。
毎日、朝の会や給食、帰りの会などの時間に5分、10分でやることが多いのですが、子どもたちが盛り上がって休み時間になっても続けたいと言うこともよくあります。
「10の扉」はゲームのように楽しく競争し合いながら、「話す」「聞く」「書く」ために必要な力を身につけていく-そんなメソッドです。
最初の1カ月で、子どもたちのほとんどは発表できる子に変わります。
第1の扉 言葉探しゲーム
言葉探しゲームでみんなが発表
今回は、一つ目の「言葉探しゲームを紹介します。
◆ 簡単なパズルの空欄を埋める
まず、パズル(図1)の空欄を好きな言葉で埋めてもらいます。

回答例も載せてみました(図2)。

◆ 「全員わかる」から手を挙げられる
できあがったら、その言葉を発表してもらいます。
簡単だと思いますか?そうです。簡単です。1年生でも全員わかる問題です。
全員わかるから「全員発表せざるをえない」という状況ができあがります。
このゲームのねらいは、
① とにかく全員が声を出すこと |
慣れてきたら、スピードをアップしたり、文字数を増やしたりします。
例えば、「ば」を頭文字に、2文字、3文字、4文字、5文字だったら?-「ばす」「ばにら」「ばかんす」「ばすけっと」「ばどみんとん」……。ちょっと手ごわくなってきましたね。
だんだんパズルの難易度を上げていきます。今度は、「頭文字しばり」を卒業して、「動物しばり」、「野菜しばり」、「学校にあるものしばり」、「気持ちしばり」(図3、4)など。6文字、7文字になってくると結構難しいですよね。


◆ グループで協力して答えをさがす
個人で考えた後は、グループで考えます。4人くらいのグループで協力して書き出すと、だいたい全部埋まります。グループ対抗で発表してみましょう。
グループ対抗にすると、案を出す人、書き出す人、発表する人など、自然と役割分担ができるようになります。毎日1回競争し、その週の優勝を決めたりすると、子どもたちも燃えてきます。
このゲームは1年生でやっても、6年生でやっても盛り上がります。
子どもに「グループで協力して学習しなさい」と言ってもなかなか浸透しません。だとしたら「気がつけばグループで協力する態勢が自然にできている」ための仕掛けができないかと考えました。「できない」理由を並べるのではなく、「とうやったらできるのか」と考えることが大事なんです。
紹介した「言葉探しゲーム」を、運動会などの目標を話し合う活動に組み入れてみてもいいかもしれません。

グループで力を合わせキーワードを考える |