仙台大学通信教育指導室メールマガジン 第04号
2023.01.31 TUE
通信教育指導室から、こんにちは。
メルマガ第03号はいかがでしたか。最後の問5(マッチ棒で立方体を5個つくる問題)なんて、いきなり出されたら、「絶対ムリです!」と、悲鳴をあげたくなる難しい問題ですよね。
でも、ちょっとした工夫で、≪ワクワク・ドキドキの授業≫ に早変わり。すごいですね。
今回は、細水保宏先生の『細水保宏の算数授業のつくり方』から、「授業のタネ」を紹介します。
褒め言葉というのは、具体的でなければだめです
公立で15年教員をやって筑波大附属小に異動しました。筑波の算数部は全員、毎年行われている夏の高知セミナーという研究会に参加します。全員が授業と講演を行い、パネル・ディスカッションもします。仲間うちからぼろくそに言われるわけです。
6年目ぐらいに授業をしたときに、(算数部の先輩の正木孝昌先生に)
「お前は『すばらしい』を6回言っていた」と言われました。
本当は褒めてくれたらしいんですが、私としてはどうしても皮肉に聞こえたんです。そこで考える自分がいるわけです。
「すばらしい」という褒め言葉を6回言ってもだめなのです。
「すばらしい」は算数の授業で言うと褒め言葉ではないんです。
算数の褒め言葉というのは、真似できるような具体的なものでなければだめなのです。
ちょっと難しいですね。
たとえば1年生のクラスで、水泳をやって午後から授業をすると、もう眠くてしょうがない。
そのときに、「姿勢が曲がっているよ」と言っただけで、ビンとなります。

でも指導技術が身についてくると、注意するかわりに、こう褒めます。
姿勢のいい子を見ながら、
「君の姿勢はいい。えっ、午前中にプールに入ってもこの姿勢ができる。すごいなあ、そういう子は本当にすごい」
こう言うと、姿勢の悪い子どもの背中もピンと伸びます(笑)。
先生が褒めるのは、みんなそうなってよという価値観を伝えていることなのです。具体的に言えば真似できるのです。
でも具体的でない褒め言葉は、「すごい」「あの子はすごいんだよ」で終わってしまいます。
具体的に褒めるということは大切だなと、「すばらしいを6回言ったよ」と言われて学んだことです。
教師のひと言がもつ影響はすごく大きい
「Aさんのノートの字、いいね。だって、四角いきちんとした字で読みやすい」
と言うと、四角い字が増えます(笑)。
「Bさんの字、まあるい字でかわいいね」
と言ったら、まあるい字が増えます。
本当です。
教師のひと言がもつ影響はすごく大きいんです。
全国のいろいろな学校で飛び込み授業をさせていただく機会があります。
どんなときも、日付と名前をノートに書かせるようにしています。
そして、子どもたちに言うんです。

「お、すごい。君の字いいね。3年生でこれだけの字を書けたら立派だね」
って一言いうと、必ず消しゴムでノートを消す子が3人ぐらいいます。
でもその子、えらいでしょ。
初めて会う先生は、字をきれいに書く子が好きなんだ。
ぼくの字はどう見ても汚い。
きれいにしようと自己評価ができるんです。
できたらそこで褒めてあげることです。
「いま消しゴムを持った子。すごい。自分の字を見て、直さなければと思った。そういう子はすてきだね」
と言うと、どういうわけか、みんな消しゴムを持つ(笑)。
子どものがんばっている姿を具体的に褒めることができる先生になりたいですね。
そして、みんなが笑顔でその姿を真似するようなクラスになったらすてきですね。